《MUMEI》

 
茜「…すみません……」
 
茜に、消毒してもらい
新しい、ガーゼに替えた
 
足は、鬱血し、紫色になってた
 
雅治「…ギブスしてないか らな…」
 
茜「…」
 
雅治「寝るぞ、茜」
 「隣に来い」
 
茜「はい…」
 
茜を抱き
 
雅治「明日、移動する…」 「…今日は、ゆっくり、 寝とけ」
 「…」
 
茜「はい」
 
雅治「戦いになるかもしれ ない…」
 
茜「大丈夫です…雅治様と 一緒なら」
 
茜を抱きしめて、寝た
 
 
 
翌日
 
万が一に備え、最低限の荷物を持ち
 
徒歩で、外に出た
 
茜の肩を借り、ゆっくりと歩いた
 
所持金も少なく、先行きが不安だらけだが、
茜は、気にもしてないようだった
 
 
コンビニで、偶然、タクシーを捕まえられた
 
降りる、客が居たからだ
 
世田谷区、二子玉川
 
駅前でタクシーを降りた
 
残金、5千円ちょっと…
 
雅治「こんなに、貧乏した ことないだろ?」
 
茜「そうですね、」
 「でも、へーきです」
 
雅治「爺さんが、敵だった ら、カードを使うのも、 危険だからな…」
 
茜「…」
 
雅治「いや、確率が…」
 
茜「わかってます、…」
 
雅治「…飯、食ってから、 行くか…」
 
話題を変えたかった…
 
駅前の牛丼屋に入った
 
茜「?…」
 
俺が勝手に注文した
 
茜…おどおど、してる
 
雅治「敵に見つかりゃアウ トなのは、同じ…」
 「食えるときに、食っと きな」
 
茜「はい……初めてなので 、勝手がわからなくて… 」
 
雅治「…」
 
俺は、目の前に有る、紅しょうがを、乗せてやった
 
卵を、掻き混ぜて、牛丼に乗せ、七味唐辛子をかける…
 
見よう見まねの茜…
 
…やっぱ、世界が違うんだな…
 
茜「!美味しい…」
 
雅治「それは、よかった… 」
 
 
駅前から、徒歩、30分…
 
普通なら10分かからない距離だが……
 
茜「大丈夫?…」
 
雅治「大丈夫だ…」
 「いいか、茜、打合せ通 りにな…」
 
茜「はい…」
 
敵が居る、想定で、打合せをしておいた
 
待ち合わせは、港北の、あの隠れ家だ…
 
俺は、逃げ切れないだろうが、茜まで、捕まったら
面倒だ…
 
俺は、直ぐに、殺される事は、ないだろうが…
 
 
潰れた、町工場…
 
裏口に回った
 
茜を、面通りに、置いたまま
 
安全なら、茜を呼ぶつもりだった
 
裏口の扉の脇に、点検口がある
 
その中に、鍵を隠してある 
手を伸ばし、探す…
 
無い……
 
簡単にはわからないように張りつけてある、はずの鍵が無い……
 
急激に、嫌な予感がした
 
裏口の扉が開いた!
 
しまった!!
 
慌てて、身体を起したが… 
扉から、手が伸びて来た
 
茜!逃げろよ!
 
心の中で叫んだ
 
茜「動くな!」
 
走りより、銃を構える茜! 
雅治「なぜ逃げない!」
 
……… 
 
大介「うわっ、撃たないで ぇ!」
 
雅治「大介!…」
 
大介「早く中に!」
 
 
 

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