《MUMEI》
念力(ナン)
「やれやれ…」


その少女はため息をついて、小さく笑った。


「最初に言ぅたじゃろう、賢しい犬はお断りとな!」


少女がキッと目を開く。そしてブワッと髪の毛が逆立つ。


「な…んだ?」


と考える時間は一瞬だった。


俺は遙か上空に飛ばされていた。鳥になりたい、だなんてメルヘンチックな考えを持つ奴がいたら言ってやりたい。この光景を見てもまだ言えるのか、と。


「落ちろ」


少女がクイッと手を振る。


それに連動し、俺は本来の重力加速度の何倍もの加速度で


『落ちて』いった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫