《MUMEI》

「あーっ、お兄ちゃんそれボクのだってばぁ!」

「‥早いもん勝ち」

「ズールーいーっ」

「──賑やかだね──」





零さんが、

鳳君と蜜君の言い合いを見て笑ってる。





香さんも、

嬉しそう。





──楽しいなぁ。





「──蘭」

「?」

「‥あんがと、な」

「──ぃ、いや、それほどでもないっすよ♪」

「そう言いながらめちゃめちゃ喜んでるみてぇに見えるけど、俺には」

「ぁ‥あは、──バレてましたか‥」

「ったりめぇだろ、分かんねぇはずあるか」




鳳君は、

マドレーヌを蜜君に横取りされないように見張りながら言った。

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