《MUMEI》

「木村君ってもしかして‥」

「ぇ‥?」

「この鏡から向こう側に行っちゃったとか‥」

「ぇ‥まさか──」





それに‥

何ていうか、

ここにいたらヤバい感じが‥‥‥。





「──きゃっ!!」

「圭織‥!?」

「弥生手伝って! 圭織引っ張られてる‥!!」

「‥!?」





手‥。





鏡の中から手が出て来て、

圭織を引きずり込もうとしてる‥。





「──っ‥」





‥引っ張る力が強過ぎる。





“──離れて”

「‥ぇ」





‥木村君‥?





「弥生っ、ちゃんと引っ張っ‥、!?」

「‥‥‥離れた‥」

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