《MUMEI》
あり得ない事(ヒイラギ)
「‥‥い‥ってぇ‥」





あり得ない事が起きた。





『おちろ』





いきなり少女の形相が変わったと思ったら、

上空に浮かんで‥

落ちた。





にしても‥





「いって‥」





背骨‥

折れてないよな‥?





「──どうじゃ、私の念力は流石じゃろ」

「念‥力‥?」

「そうじゃとも」





俺を見下ろして、

得意げに笑う少女。





銀髪のツインテールが、

ゆらゆらと風にそよいでいる。





「良いか? 人にものを頼む時はじゃな──」

「泊めてくれって頼んだだけだろ‥? お前こそいきなり何するん‥」

「──‥分からん奴じゃな──何ならもう一度してやっても構わんのじゃぞ?」





不敵に笑う少女に、

さすがに僕は何も言い返せなかった。

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