《MUMEI》

「これ──」

「‥?」

「コロンなんだけどね、丁度──蘭ちゃんにピッタリな感じだから──」

「ゎ‥」

「──どう?」

「──可愛い──」

「これ──何の香りか分かる?」

「?」





何の‥

香りか‥?





「──何だろ‥」

「蘭の香りよ」

「蘭‥?」





私の名前と同じだ──。





「ねっ、だから蘭ちゃんにピッタリでしょ?」

「──ぁ‥えっと──ハイ、どもです♪」





嬉しい物もらっちゃった──。





「それじゃ、また後でね」

「ハイ、ぁ‥ありがとございましたっ」

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