《MUMEI》 確かに聞こえた「はぁ‥危なかったぁ‥」 「だいじょぶ‥?」 「うん‥。──弥生?」 「──声、しなかった?」 「誰の?」 ・・・ 「木村君──」 「ぇ?」 「何も聞こえなかったよ?」 「空耳なんじゃない?」 「‥‥‥そうかな‥」 あの声は、 木村君だった。 確かに聞こえた。 けど‥ 何かエコーがかかったみたいな感じだったな‥。 「もぉやだぁ‥」 「ぇ」 「木村君はいないし‥何か怖い事続きだし‥」 「‥‥‥ごめん‥」 「ぃゃ‥別に弥生の事どうこうって訳じゃないよ?」 「‥ううん」 ‥あたしが独りで来れば良かったんだ。 七不思議がほんとだって分かってたら、 七番目を知りたいとか思わなければ、 圭織達は怖い思いしなくて済んだのに‥。 前へ |次へ |
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