《MUMEI》

「‥ぁ‥すまん、やっぱりビックリ──」

「7月って、今年‥ですか‥?」

「来年やと色々忙しなってまうやろし──‥」

「あの、まだ私‥親にも何も‥」

「オレが何とかしたる」

「眞野っち‥?」

「──全部オレが何とかしたるから──心配せんとき」

「───────」





あの日の笑顔と、

同じだ‥。





『オレ──今日転任して来てん。眞野宵夜や。宜しゅうな』





あの日、先生が私に見せた眩しい笑顔。





今、それが目の前にある。





「どやろか──‥もしやったら‥考えといてくれへんか‥?」

「──はい、分かりました」

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