《MUMEI》

「三門──お前意外と地獄耳なのだな‥」

「‥どっちがだ」

「む‥、私はただの情報通なだけではないか」

「──‥うるせぇ」

「相変わらずだなぁ三門‥」

「‥うるせぇっつったろ」





鳳君はプイッと野崎さんから視線を逸した。





「──蘭」

「はい?」

「‥‥‥‥ジュース」

「へ‥、ぁ‥ハイっ‥」





カバンから魔法瓶を出して、

キャップにジュースを注いで渡す。





買いに行くのは流石に大変だから、

いつ鳳君が喉渇いても大丈夫なように、

こうして魔法瓶を持ち歩いてるんだ。

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