《MUMEI》
変化
「──姫ー」

「捜しに行くのかー?」

「行くのかー?」

「ぁぁ‥。お前達はどうする」

「おれ達も行くー!」

「行く行くー!」

 三匹の元気な声に笑みを洩らすと、夜桜は長い黒髪を束ね、念の為──護符を懐に忍ばせた。

「狐叉、すまんがお前は此処に‥」

「いや、私も行こう」

「あまり無理をするな。妖気を消耗してしまう‥」

「──私はお前の相棒なのだろう? 夜桜」

 月色の双眼が、自分を見上げる。

「分かった──。行こう」

 夜桜は、先に立って駆け出した。

 琥鬼、風牙、雪兎が続き、狐叉がその後を付いて行く──のだが。

 彼女は、女の姿に変化していた。

 この方が都合が良いのだ、と狐叉は言う。

 月明りを受けて微かに光を帯びた、絹糸のような白髪が、風にそよいでいる。

「久しいな、お前のその姿を見るのは──」

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