《MUMEI》
――― 紅葉の月
10月の勝負…



もはや場の流れは、完全に〆華に傾いていた。




兼松は守りの積もりで場の「菊のカス」をカス同士で刈り取る。



しかし〆華は其を確かめると、手札の中から「菊に盃」を場に空切りした…。



兼松の表情が一気に険しくなる。



「盃」などという重要な札を場に切る意味…



それは〆華の手中に、合札である「菊の青札」が握られていることを意味している。



しかも「青札」ではなく「盃」を見せつけるという行為は…



『貴方に抱かれるのは真っ平御免』と云わんばかりの強烈な意思表示にも思えた。

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