《MUMEI》 月裔「‥いないか‥」 平安京を一周し朱雀門の側へ来ても、彩貴の姿は見当たらない。 (擦れ違ったか‥?) そう、夜桜が思っていると。 ‥後方から、足音が近付いて来た。 「‥っ誰だ‥!?」 「──私です、姫様」 「‥‥‥お前‥月裔(げつえい)では無いか」 月裔は、彩貴と同じく陰陽師であり──内裏の方へもよく赴いている。 「何故‥お前が此処に‥?」 「彼女が──どうしても姫様にお会いしたい、と」 「彼女‥?」 夜桜が、月裔の傍らに目をやると。 そこには、己に良く似た娘の姿。 「奏美(そうび)──奏美では無いか、どうしたんだ‥?」 「──済みません、こんな夜中に──」 奏美は、申し訳なさそうに頭を下げた。 前へ |次へ |
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