《MUMEI》
出会いはふとした瞬間(ナン)
………なんだ

意識がぼやける。

なんだか…冷たい。心地いい。

「………んんっ」

「お、気がついたか」

仰向けで寝ている僕の顔をのぞき込むその無表情の少女は

もろ僕の好みだった。

サラサラな金髪、吸い込まれそうな瞳、潤んだ唇

その全てがどストライクだった。

僕はウブなあんちきしょうなので、綺麗な女性を前にすると緊張してしまう。

「あ…ぁあ…」

「体は痛むか?」

少女は無表情に、冷たく問うた。

僕はこんな冷たい感じの女性が

もろ好みだった。

僕はきっとこの瞬間

恋を、したんだ。

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