《MUMEI》 音色「‥‥‥何だ‥」 何かが、聞こえて来る。 何だ‥? 彩貴が、耳をそば立てた。 (琵琶‥‥‥) 奏美だ、と──彼はすぐに気付いた。 (‥ならばあいつも共にいるという事か‥‥‥) 溜め息をつき、彩貴は音色の聞こえてくる方角に目を向ける。 (来るなと言いたい所だが‥‥‥来ない筈は無かろうな‥) 厄介な事になった、と彩貴は思う。 (‥さて‥) どうしたものか。 「‥先ずはこいつをどうにかせねばな‥‥‥」 懐から呪符を出し、構える。 「──待てっ彩貴‥!」 「‥夜桜‥」 前へ |次へ |
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