《MUMEI》 雅楽の調べ「早まるな、彩貴」 「‥何か策があるのか」 「──ぁぁ」 夜桜が頷くと、彼女の背後から琵琶弾きの娘が現われた。 「奏美‥」 「私に──少しだけ時間を下さい」 「お前、何をする気だ‥」 「───────」 奏美は、す‥、と息を吸い、調べを奏で始めた。 (‥これは‥) 雅楽だ、と彩貴が気付く。 (‥彼女が何故奏でられる‥?) 奏美は、祇園で琵琶を弾いている。 こちらへ来る事は、殆どない。 にも関わらず、奏美は恰も知っているかのように、雅楽を奏しているのだ。 彩貴は、驚かずにはいられなかった。 前へ |次へ |
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