《MUMEI》
仕置き人
「光ちゃんの恋人カッコ良過ぎだわ……」


「くーちゃんて呼んだげて」

光、可愛く命名するな。


「……宜しく。」

光の兄ならば悪い印象は与えられない。
光と兄弟達はあまり光に似ていない。光は改めて母親似だと思った。


「でも、光ちゃんと茉理が二人出会ったのって運命的よね。」


「なっちゃんに会うまでは互いに気付かなかったんだよ。会ったの今日でなんとなく居ただけだから。」


「ううん、でも会えて良かった。
こんな特殊な形だけど茉理も私も光ちゃんのこと姉弟で、離れていてもどこかで繋がっているって信じてるから。
光ちゃんがテレビに出てると自慢したくなるような姉だけど、応援してるよ。」

姉……なのかな。
胸は入れてるっぽいが……いかん、邪推だ。


「な……なっちゃーん!」


「まあ、甘えん坊さんねぇ」

棗さんの胸に光が飛び込んで行く。


「……さ。光、もう帰らなきゃ。」

説教の時間だ。


「よければウチの店にも来てね。」

棗さんとの別れを惜しみながら光は内心二人になることを避けている。

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