《MUMEI》

あたしは元から親と仲が悪かった。

ケンカしたりするとあたし、お母さん、お父さん、みんな暴力は当たり前。

本気で殺される、と何度思った事だろう。


この頃は、特に母親が恐かった。
平手打ちされたり、蹴られたり、殴られた事もたくさん。

椅子を持ち上げて、あたしに向かって来た事もあったっけ。その時は確か父親が母親を止めてくれた。


いつもあたしは母親に殴られて、…。


母親には多分勝てる。


でも…
あたしがやり返そうとしたり抵抗しようとしたりすると、父親に殴られる…。


父親には勝てない。

そんな時は、父親と母親が離婚してくれたらいいのに、と思ってしまう。

…というか、常に思っていた。

この家から抜け出したい。


この家から逃げたい。


ーこの家にあたしの居場所なんてないんだー

前へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ

携帯小説の
(C)無銘文庫