《MUMEI》
予想外
「え?何言ってんの?モデルは俺でしょ、中川さん?」思いも因らない雄太の言葉に、田辺は顔を曇らせて中川を見る。
声に少し苛立ちがこもっている。
しかし中川は何も言わず、じっと雄太を睨んでいた。
「中川さん、戻りましょ?さっさと続きを…」
「悪ぃ、田辺。帰ってくんね?」
『え?』
雄太と田辺は同時に声を揃える。
二人は中川を見たが、中川は雄太しか見ていなかった。
「ちょ、中川さん何言ってんすか!」
「帰れっつってんの!」
「そんな勝手…あ…?ちょっと!」
‘ホラホラ’とグイグイ田辺を玄関まで押していく。
―バタンッ!!―
リビングに一人残された雄太はア然としていた。
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