《MUMEI》

「はっ、なんやお前情けないのう、ちびっとるやんけ!」

チンピラが下品にゲラゲラ笑う。完全に油断している。

その一瞬を玉二は逃さなかった。

なにもない空間から、笹かまぼこを

『取り出した』。

そして目に見えないくらいの速さで

笹かまぼこをチンピラの喉仏に突き刺した。

「げはは…ひゅ………」

チンピラは何が起きたか気づくのに時間がかかった。

数秒経って、喉から発生する空気漏れの音に気づいた。

「あで?」

チンピラは白目を剥き、その場に崩れ落ちた。

「はんっ、俺はトイレに行かない派なんだよ!」

そうなのだ。玉二が糞尿を垂らした理由は

トイレに行かない派だからなのであった。

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