《MUMEI》
かき氷
“おー、ひゃっこい風が出てきよる”

「涼しくなった?」

“表面はな──”

「表面?」

“そや。中身はまだ冷えとらん‥”

「うーん‥‥‥そだっ、かき氷作ってあげよっか」

「かき氷? 何や──あんたらも食べるんやな──」





雪子はうちわでパタパタ仰ぎながら、

意外そうに言った。





「ほな頼むわ、蜜は苺な」

「──分かった。‥ぁ、気温はこれで調節してね」

“? このぼっち押せばええんか?”

「うん」

“了解や”





そう言った雪子に安心して、

あたしはかき氷を作りに台所に向かった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫