《MUMEI》 最終日の目的地修学旅行最終日。 「いかにも北海道って感じよね」 目的地である牧場に着くと、志貴はそう言いながら、深呼吸をした。 (土産忘れないようにしないとな) 俺はここで、演劇部用の●キャラメルを買わなければならなかった。 ちなみに、石川と忍のお土産のストラップは、この後、帰りの空港内で買う予定だった。 「まずは見学と体験ね」 志貴の提案で、俺達はチーズ工房を見たり 馬や、ドックショーを見学し 手作りのバターを各自で作った。 バター作りは単純だが、手が疲れる作業で、昨日連続ビリだった拓磨はここぞとばかりに志貴の分までやろうとしたが 『それじゃ体験にならないじゃない』と、逆に怒られていた。 そして、土産を無事に買い 空港で昼食を済ませた拓磨に 再び、飛行機に乗るという最後の試練が待っていた。 …今回、本当に拓磨はいいところが無かった。 (俺は、…いろいろあったけど、楽しかった、な) 離陸し、小さくなっていく北海道を見ながら、俺はそう思った。 (また、来ます。春日さん) そして、最後に小さく頭を下げた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |