《MUMEI》
決意
「で?」
戻って来た中川は、ソファーに座るとタバコをふかしながら聞く。
相変わらず冷めた態度だが、僅かに表情が和らいでいる。
「するのか?モデル。」
「……します…」
「聞こえねぇ。」
「やります!」

冷たくされるよりは、ずっとマシだった。

「来い。」
中川は吸いかけのタバコを手にしたまま、先にアトリエに入っていく。
雄太は一度部屋に戻り、例のバイブを手にした。

(後には引けねぇ…)

そう決心すると雄太もまたアトリエへ入っていった。

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