《MUMEI》

「7月──だったよな?」

「ぁぁ──半ば辺りになるかも知れへんけど‥」

「ぉ、そうだ──」

「?」

「アイツ──萱島も行くって言ってたぜ?」

「萱島‥?」





あいつも‥?





「何でや‥?」

「さぁ──。でも何か喜んでるみたいだったぜ? あいつ」

「‥ほんまか‥?」

「──噂話ならもう少し小声で話すべきだと思うが」

「!? 萱島──」

「‥お前の為に喜ぶ義理は無い。ただ──お前のクラスメイトとして、というだけの事だ」

「──お前──」

「‥感心するな」

「──おおきに」

「‥礼などいらん。‥ただ、自覚だけは持っておけ。いいな」

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