《MUMEI》

場には「盃」……そして〆華の手には「菊の青札」が有るのは明白だった。



〆華はいつでも勝負を仕掛ける体制が整った訳だ。



氷のような微笑と共に兼松の前に尊居するのは、芸妓ではなく一人の勝負師だった。




そしてもう一人…


襖の隙間から鋭い眼光が二人の勝負の行方を注視していた。



場には〆華の追撃の札…



…「盃」が兼松を嘲笑うかの如く晒されていた…。




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