《MUMEI》 御守「はい、熱いから火傷しないようにね」 玖珠が、 お茶の入った湯飲みを渡してくれた。 「はい、ありがとうございます‥」 「──寝不足みたいね‥」 「‥はい‥。その‥呼ばれるんです」 「呼ばれる‥?」 「はい‥‥‥でも、誰なのかが分からなくて」 「──その‥首から下げてるのは?」 「御守です。祖父からもらったものなんですけど──」 「お祖父さんから‥?」 「はい‥。これ、何だかずっと前からあるやつみたいで──」 「──そう‥」 「あの、これが何か──」 「‥ねぇ、何か感じる?」 「‥‥‥何でおれに訊くんだよ」 「霊気を感じ分けるのはあんたの方が正確なんだもの」 前へ |次へ |
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