《MUMEI》
氏神
刹那によれば‥

霊気は東の方から来ているらしい。





「ねぇ紬」

「?」

「あんた──自分のご先祖の事聞いた事、ある?」

「ご先祖‥?」

「ご先祖の中には、その一族の守り神として祠られている霊がいるの。──『氏神』って聞いた事ない?」

「氏神‥‥‥」





ないな‥。





「それと声の主と‥関係があるの‥?」

「刹那」

「‥んだよ、こっちはさっきから気分悪ぃんだ‥向こう着いてからにしろよ」

「──‥分かったわ、じゃあ取りあえず──霊の居場所に連れて行って」

「‥わあってら」

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