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《MUMEI》 ｢樹が頼ってきたのはかなり嬉しかったけど ……細かい嫌がらせはもうチャラにしてやる。 これからマイハニーに何か起こったらお前に直で言いに行くから。 そっちも回りくどいことしないでそうして。 あ、あと樹の名誉の為に言うけど俺、沖島は襲ってないからな！ じゃ、帰るわ｣ アヅサの名を語る愚者は去って行った。 アラタは意識のない奴らの後始末を頼むために陽炎を呼ぶ。 ものの１０分できた。 まあまあだ。 コイツにしては上出来。 ｢どうしたんだよ、示談って言ってただろう！｣ 陽炎が寄ってくる。 ｢だって腹立つから アイツ、殺してやりたい 変なやつ、 認めない 化け物だ。 いやだ。｣ ｢どうした？支離滅裂だ｣ ｢俺はいつもどおりさ。 マトモじゃあない イカレてるんだよ つまんない。仏頂面してさ、仮面付いてるんじゃない？剥がしてやるよ｣ 陽炎の顔に手が掛かる。 手袋を嵌めた指で爪を立てた。 彼の顔が歪む。 ｢落ち着け、アヅサ｣ ｢うるさい 黙って｣ 陽炎の口を抑えた。 そんな手も簡単に腕力で捩伏せられる。 人差し指を丁寧に取られ彼の口へと押し当てられた。 ｢―――――――んッ…｣ 我慢が出来ずに息を漏らす ｢疲れてるんだよ 呼んだのは失敗だった｣ ｢そういう言い方するな！｣ 平手を食らわした。 前へ |次へ |
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