《MUMEI》

屋敷に着いたら、

蜜君がすかさず飛び出して来て、

私の腰にしがみついた。





「──あれ? 何かラン──バニラの匂いするよ? ん? ブルーベリーかなぁ」

「──ぁ‥」





さっきアイス食べて来たんだった‥。





「──ラン?」

「スッ‥スイマセンっ」

「?」

「‥蜜、気にすんな。宿題ちゃんとやっとけよ」

「? お兄ちゃんもランと同じ匂いする──」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「まぁいいや、後でラン思いっ切り独り占めするもんね♪」

「‥すんな」

「え〜? お兄ちゃんばっかりズルいよぉ」

「‥小学生なんだからそれらしくしてろ」

「あーっ、また子ども扱いする〜っ」

「だって子どもだろ」

「半分は大人だもん」

「──‥うるせぇヤツ‥」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫