《MUMEI》 雨「‥ぁ‥」 雨‥‥‥。 「急いだ方がいいわ‥‥‥」 「ぇ‥」 「──手伝ってくれる?」 「‥私が‥?」 「簡単よ。このお地蔵様を壊せばいいだけ」 「ぇ‥そんな事したら‥‥‥」 「はい、これ使って」 「金槌‥?」 これで叩いて壊す‥ って事‥‥‥? 「──取りあえずこの子、木陰で雨宿りさせとくわね」 玖珠は刹那を木陰に連れて行った。 それから戻って来ると、 札を懐から出してお地蔵様に貼り付けた。 「‥いい‥? ──粉々になるまで砕いて」 「本当に‥大丈夫なの‥?」 「ええ。‥それに‥そうしないとあの子も危ないの」 「‥‥‥分かった‥」 前へ |次へ |
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