《MUMEI》

茜「…」
 「…お慕い、してます」 
真樹「…」
 「何で、私に、嘘ついた の?」
 「…聞いたじゃない…」 「私……」
 
茜「…」
 
真樹「…見てれば、わかる んだから…」
 「雅治さんの、世話の仕 方…」
 
茜「…すみません…」
 
真樹「何で、謝るの?」
 
茜「……」
 
真樹「お姉ちゃんに、気を 使ってるの?」
 
 「お姉ちゃんね…」
 「雅治さんに会ってから 、変わったんだよ…」
 「生き生きしてた…」
 
 「お姉ちゃんと、私も、 わだかまり、とれて…」 「凄く、仲良くなれたの …」
 
 「雅治さんのおかげ…」 
 「3Pって言うと、変態 っぽく聞こえるけど」
 「全ての衣を捨てて、向 き合えたの……」
 
 「……」
 「身体も、心も、満たさ れたの…」
 
 「…お姉ちゃんが、死ん だのは…辛いよ…」
 「辛いけど……」
 「雅治さんも、茜さんも 死なれたら!」
 「私、気が狂っちゃうか らね!」
 
大介「真樹…」 
 
真樹「大介は、大切な人よ 、大好き、」
 「でも、雅治さんは、恩 人なの……私にとって… 」
 
大介「わかってる…」
 「俺の、恩人でもあるん だ…」
 「わかってるって、真樹 …」
 
真樹「…うん…」
 
真樹が大介の胸で泣いた
 
 
真樹「茜さん……茜さんな ら、お姉ちゃん、怒らな いよ」
 「…安心して、雅治さん を任せられるよ…」
 「きっと…」
 
 「だから……」
 「だから、2人共…死な ないで帰って来て…」
 
 「約束して……」
 
 
茜が泣いた…
 
両手で顔を覆い…
 
雅治「…」
 
茜「…こんな…こんな、私 を……心配してくれるな んて……」
 
真樹「…当り前でしょ…」 
真樹が茜の元へ、歩み寄った
 
真樹「お姉ちゃんの、仲間 だもん」
 
茜「…なかま?……」
 
真樹「うん…雅治さんを、 好きな…仲間でしょ…」 
茜の瞳が大きく開かれた… 
真樹「…お姉ちゃんは、… もう、雅治さんに、何も してあげれないけど…」 「茜さんは、出来るでし ょ…」
 
茜がボロボロと、涙を流した
 
真樹を真っ直ぐ見て…
 
また…茜が両手で顔を覆い泣いた……
 
 
真樹「雅治さんを…お願い ね……」
 
茜は、泣き止む事を忘れたかのように…
無き続けた
 
 
 
真樹の優しさが、痛いくらいに、
茜に突き刺さったのだろう……
 
茜が、感情を、コントロール出来ないくらい
人前で、大泣きするなんて、今まで、なかったのかもしれないな…
 
しきたりに、押さえ付けられ
 
自分を殺し、家の為に…
 
 
茜「わたし……私は…」
 「……憎まれてるって… 」
茜の声が震えていた
感情が暴走したのか、身体を震わせてた
 
俺は、茜に歩み寄った
 
足をひきづり、ソファーに手を添えながら…
 
茜が俺を見上げた
 
オドオドしたように、
震えながら…
 
俺は、茜の横に座り
茜の頭を抱えた
 
雅治「何も、話さなくてい い…」
 「黙って、泣いてろ…」 
茜の頭を強く抱きよせ
そう言った
 
 
茜の涙は、止まる事を忘れたように
溢れ出ていた
 
 

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