《MUMEI》 「ふ……俺の方が強いに決まってる。」 両腕がしっかり塞がれていた。 「甘い!」 隙を見計らって頭突きでテンプルを狙う。 「……っ!」 人間が、静止する瞬間を見た。 やり過ぎたか? 「だいじょうぶ?」 顔を覗き込む。 「どうしてくれるんだ……しゃくれただろ!」 七生が、顎を突き出している……騙された! そしてしっかり捕縛された。 「嘘つき!」 反撃として怒りに任せて蹴り上げてしまった。 「……やったな……覚えてろよ……」 悪役の捨て台詞を残し、七生は顔を押さえながらふらふらと出てった。 「……なんなの。」 解放された安心感で半ベソだった。 掴まれていた腕から指先に血が通ってくのを覚えた。 前へ |次へ |
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