《MUMEI》
初めての呼び出し
修学旅行の次の日は、土曜日だった。


(そういえば、勝手に来る事は多いけど、行くのは初めてだな)


俺は、昨日メールで指定された目的地に向かっていた。


その場所は、入り口までしか来た事が無かった。


(まぁ、仲村さんと志穂さんいないって言ってたし)


俺は軽い気持ちで部屋番号を押した。


『はいはーい』

「俺」


言い終えると、入り口のオートロックが解除された。


俺は更に中に進み


ピンポーン


仲村と書かれた表札がある部屋のチャイムを鳴らした。


「はいはーい」


入り口で聞こえた声の主が、同じ口調で出迎えた。


「何だよ話って」

「まあまあ、とにかく入ってよ」


その人物


祐に促されて、中に入った俺は


「何、このメンバー…」


ソファーに座っている三人を見て、固まった。


正確には


そこに予想した人物がいない事と


予想外の人物がいた事に驚いていた。

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