《MUMEI》
その後の松木と周辺
正義感溢れる大蔵先輩に、長時間説教され


俺に二度と近付かないと誓約書を書かされた松木は


ファンクラブを退会


演劇部を退部した。


さすがに退学は…


俺が、止めた。


『おばあちゃんに、おねだりしようかな〜』


そう言う志貴を、頑張って止めた。


委員会はやめられ無かったが


松木は俺と一緒に当番になりたくて、他の委員に交渉していたらしく


今では、全員が集まる時以外は、会う事は無い。


あれから


一度だけ、松木を見かけた。


(か、髪が無い!)


松木は丸坊主になっていた。


制服も、普通以上にきっちりしていて


『悟りを開いた坊主みたい』だと


志貴と頼が笑いながら言っていた。


厳は、ひきつりながらそれを見ていた。


ちなみに


事情を知らされていなかった三年生達


途中から知らされた大蔵先輩と


全てを知らされ、仲間外れにされた事を悔しがる祐と、慰める葛西先輩は一応落ち着いていたが


一番御立腹だったのが希先輩で


しばらく柊と口をきかなくなり、柊が泣きながら俺に電話をしてくる日々が続いた。

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