《MUMEI》
参加決定
「まあまあ、二人とも落ち着きなって。これから一緒に行動するんだ。仲良くしとこうぜ?」
タツヤは呑気な声でそういうと、彼の肩をポンポンと叩いた。
そしてレイカにも「な?」と同意を求めた。
彼女はまるで無視だったが…。
「だから、何なんだよ?一体何しようってんだ?」
彼はタツヤの手を払いながら聞いた。
「決まってんだろ?こっから出るのさ。ザ・脱出!」
おちゃらけて言うタツヤの言葉に、レイカが頷く。
「脱出?…ってどうやって?」
「…てことはお前も参加すんだな?成功するかどうかわからねえし、外に出てもどうなるかわかんねえ。
ま、死んじゃうかもしれないわけだけどいいんだな?
参加しない奴に話すわけにはいかない」
さっきまでとは違う、真剣な表情でタツヤは言った。
「そりゃ、死ぬのは勘弁だけど。ここにいたって変わりゃしないだろ?
ずっと殺しあってんだから。
誰かが助けてくれるわけでもないみたいだし。
だったら、まだなんかしたほうがマシだ」
彼が頷くと、タツヤは「お前はポジティブだな。思った通りだ」と笑った。
そして彼とレイカに聞こえる程度の小声で話し始めた。

前へ |次へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ

携帯小説の
(C)無銘文庫