《MUMEI》 照れ屋「ぁぁ」 “可愛い‥ですか? 私‥” 椿はほっぺたを染めて、 パタパタと袖を振っている。 “初めてです‥そんな事言ってもらったの──” 落ち着かないのか、 はたまた照れ屋なだけなのか、 椿は畳の上を行ったり来たりし始めた。 “嬉しいです‥私──嬉しいです──” 生き生きとした、 笑顔。 椿が、 こんなに笑う子だとは思わなかった。 たぶんこれが、 彼女の本当の姿なんだろうな──。 前へ |次へ |
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