《MUMEI》

猪俣は一家が壊滅したこと、そして萩原を葬ったことを包み隠さず柳沢に報告した。



『…申し訳ありません…。

私が居ながら、こんな事になってしまいました…。』



『…謝らんでえぇ…


萩原の奴らが現れてから、こうなるような気がしとったんじゃ…


…何も手を打たなかった儂のせいじゃよ……』



柳沢は息も絶え々に猪俣をかばった。



その死期が迫った顔には、口惜しさや憎悪など未塵も無く、まるで全てを在るがままに受け入れる潔さすら漂わせていた…。

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