《MUMEI》

「──惷」

「お嬢‥様‥?」

「‥ちょっといい‥?」

「三門様と踊られてらしたのでは‥?」

「‥ねぇ」

「はい、何でございま‥」

「──あのね」

「お嬢様‥?」

「──好きなの」

「ぁ‥三門様の事でしたら存じて‥」

「惷の事」

「僕‥‥‥ぃゃ、私‥の‥事‥ですか‥?」

「惷は苺の事‥嫌い?」

「いえっ、とんでもございませんっ‥私も──」

「‥?」

「私も好きです、お嬢様の事──」

「──惷っ♪」

「ゎ‥、ぉ‥お嬢様っ‥!? 」

「───────」

「お嬢様、離‥」

「───────」

「──畏まりました」





2人がいい感じになったみたいだったから、

私達は扉の前から離れた。

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