《MUMEI》 厳と頼の保護者「そういえば、お前達の保護者はどうするんだ?」 その日の放課後、部活に出た俺は、頼に質問した。 ちなみに、部活は今日までで、明日からはテスト期間の為に休みになる。 期末テストは三日間行われ その結果が出る頃に、三者面談が始まる事になっていた。 「志穂さんが来てくれる」 「何で志穂さん?」 (一緒に住んでる果穂さん達じゃなくて?) あの二人が学校に来たらそれはそれで大変だろうが、何故そこで志穂さんが出てくるのかわからなかった。 「うちの両親の指名」 「あぁ…」 夏休み、会った厳と頼の両親 その二人の、異常なまでの志穂さん大好きっぷりを見ている俺は あっさり、納得した。 (本当に染まってきたな、俺) 妙にしみじみしてしまう自分がいた。 (でも、悪くないな) それでも あんなに目立つ人間ばかりに囲まれていても 俺の心は温かく、落ち着いていた。 (うん、悪くない) そんな俺を、頼は不思議そうに見ていた。 前へ |次へ |
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