《MUMEI》
皆の保護者
「じゃあ、祐也のところは藤堂さんが来るのね」


三者面談の日程が具体的に決まった日に、志貴が確認してきた。


俺の保護者が恋人で男だとバレないように、志貴は忍を名字で呼んだ。


「藤堂さんて、この前来た人?」

「あぁ」


守が言うこの前は、奈都の母親が来た日の事で


忍も注目を浴びたらしい。


「ゴールキーパーとか似合いそうな感じだったよな」

「まぁ、ガタイいいからな」


そこでヤクザとかではなく、ゴールキーパーに例えるあたりが真司らしいと思った。


「俺は興味無い」


(だろうな)


拓磨が興味があるのは志貴の事だけだ。


「拓磨は去年うちの母親、うっとりして見てたもんね」

「そ、れは、志貴に似てたから」


確かに貴子さんは志貴に似ていた。


「拓磨は似てないもんね」

「お、れは、おじさん…父の弟似なんで」

「あ、だからどっちにも似てないのか。

拓磨のかーちゃん可愛いし、とーちゃん癒し系だし」

「よく知ってるな」

「大会の応援毎回来てるし。真司そっくりな美人の母さんもよく来るよ。」


そう言う守の母親は、守曰く普通のおばさんで、守は両親を足して二で割った顔らしい

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