《MUMEI》 ひでのぶ兄ひでのぶの兄(名前はわからない)は銃鉄から指を外さなかった。 銃口はナナに向けられそらされることはなかった。 「兄さんやめてくれ!ナナは…彼女は…ナナは俺のまぁまぁ大切な人なんだ」 「だからこそ意味がある。貴様に地獄の苦しみを与えるためになぁ!」 「ひぃっ!」 ナナは悲鳴をあげた。その金切り声は耳障りだった。 「肉人形がっ…一丁前に人間みてぇな声出しやがって!」 銃の、なんか尖った部分でナナを殴り付けるひでのぶ兄。 「痛いっ!」 「やぁぁぁめぇぇぇろぉぉ!」 ひでのぶの怒りは頂点に達した。 「な…何者だ!?」 ひでのぶ兄はびびって銃を落としてしまった。 「しまっ………」 さくっ、さくっ。 小気味よい肉の切れる音がした。 その直後にはひでのぶ兄は細切れになっていた。 「うりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」 そこには鬼のような顔をしたひでのぶがいた。 「ばけ………もの………」 ナナはそのひでのぶを見て恐れおののいた。 前へ |次へ |
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