《MUMEI》

「──おっ、ギリギリセーフやな」

「はぁ‥、すいません、ちょっと話してて‥」





私が言ったら、

先生は笑って──





「ほな、出席取るで座ってな」





いつもと同じ、

ホームルームが始まった。





「今日は特に連絡はあらへんから──取りあえず1限の準備宜しゅうな?」





そう先生が言うと同時に、

みんなが──

カバンを開けたりロッカーを覗いたりし始める。





「碧依──」

「?」

「後で──ちょっとええか?」

「ぁ‥はい──」





何か‥

相談があるのかな──。

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