《MUMEI》

さっき先輩にのしかかったのは、

私のお兄ちゃん。





先輩とはクラスメイトで、

結構仲はいいみたい。





「藍、気をつけろよ? こいつ意外と──」

「?」

「ぃゃっ、誤解すんな藤澤っ」

「───────」





誤解?





何を‥?





「で──流」

「ん?」

「何でわざわざ藍からペン借りたんだ?」

「たまたま──廊下で会って。つーかお前さ、何でいっつもそんな落語家みたいなカッコしてんだ‥? ──あいてててッ」

「落語家だぁ? これはなぁ、正式な──」

「──はーいそこまでー♪」





2人を止めたのは、

加恋ちゃんだった。

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