《MUMEI》
二日目
次の日、いつの間にか浅い眠りに落ちていた彼は、けたたましいヘリの音で目が覚めた。
「はーい、みなさ〜ん!おはようございまーす!!よく眠れましたか??うーん、今日もいい天気ですね。
気持ちのいい一日の始まりです。ではでは、今日も元気にみんなで殺し合っちゃってくださーい」
ヘリから聞こえた声は昨日の夕方と同じ女の声だった。
相変わらず場違いな明るさで一方的にそう言うと、ヘリは今度は何も落とさずに去って行った。
配給は一日一回のようだ。
「いよし、起きたか!」
隣では、すでに起きていたタツヤが膝の屈伸をしている。
「今日はとりあえず俺から離れるなよ。一応、お前ケガ人だし」
彼は頷きながら立ち上がり、周りを見た。
「レイカは?」
姿のないレイカを探すが見つからない。
「そのうち見つかるよ。あいつ派手だから」
タツヤはまるで気にしていない様子でナイフを取り出した。

「そんじゃ、早く新人君が来るように祈りながら、今日も生きますか」
こうして、彼の二日目は始まった。

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