《MUMEI》 「翔貴…」 急にか細い声が聞こえた。「何?」 そこには杏里が恥ずかしそうに佇んでいた。 「あのさ…ちょっと来てくれる?」 「わかった、今いくから待ってて」 机を片付けて杏里の元へ行くと急に杏里に抱きつかれた。 「な、なに?」 動揺した声で尋ねる翔貴。 「あたし…翔貴が好きになっちゃったの、翔貴が告白するって聞いて本当はすっごく不安で…」 「不安でどうしたの?」 聞き返すと同時に杏里の顔を覗き込むと杏里は泣いていた。 前へ |次へ |
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