《MUMEI》

「わかった…付き合おう…まだ杏里への想いは大きくないけれど付き合ううちに大きくなる気がする」

「本当に?」

杏里が涙目で聞き返す。

「うん」

「ありがとう、これからよろしくね」

「うん、てかそろそろ人の目が気になるんだけど…」
「あっ!ごめん!」

杏里は翔貴から離れた。そしてチャイムが鳴った。

「じゃあまたメールするね」
翔貴は席に向かいながら喋った。

「うん!」

明るい杏里の声と共に先生が教室の扉を開けた。

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