《MUMEI》
恵の苦しみ
シャワーを浴び終え、部屋に向かった。

「おっ来た来た!」

はしゃぎ気味な孝昭がベッドでニコニコしながら座っていた。

「孝昭も浴びてきなよ」

「そうだね、入ってくるよ」
孝昭はバスルームへと向かった。

「逃げないでね」

急に冷たい顔で孝昭が言ったので恵は怯んだ。なぜなら孝昭の目はさっきまでのものではなかったからだ。
「当たり前じゃん」

震える声で返事をした。その返事に満足したかのようにバスルームへ入っていった。

部屋の端には孝昭の必要以上に大きいバッグがあった。

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