《MUMEI》

ヒルズは物々しい警備だった
 
「こちらです、お入り下さい」
 
ドアが開かれた
 
そのまま、奥の部屋に
 
何部屋あるんだよ…いったい…
 
茜「お爺様!」
 
爺さん「無事のようじゃの う」
 
雅治「手荒い招待だな、爺 さん」
 
爺さん「ほっほっほっ、死 にかけてるくせに、まだ 目は死んどらんわい」
 
 「座りなされ」
 
茜の手を借り、ソファーに腰を卸した
 
爺さん「雅治…すまんが、 血をもらうぞ」
 
雅治「……」
 
医師らしき男が、俺の血液を採取した…
 
爺さん「茜、今後、どうす るつもりじゃったのだ」 
茜「…」
 
雅治「新潟に乗り込むつも りだったんだよ」
 「あんたに邪魔されなけ ればな」
 
爺さん「水無月にか…」
 「なら、同じじゃ、ここ へ連れて来られるじゃろ う」
 
 「探すのに、苦労したわ い…まったく…お前は、 年寄りに面倒ばかりかけ おる……」
 
茜「私達を、どうするおつ もりですか?」
 
爺さん「さてね……ワシに もわからん…」
 
雅治「大介達はどうした? 」
 
爺さん「お仲間達かえ?」 「丁重に、保護したと聞 いておるがのぉ…」
 
 「茜!、何故、定時連絡 をせんのじゃ」
 
茜「…」
 
爺さん「答えなさい…茜… 」
 
茜「…お爺様も、疑わしい からです…」
 
爺さん「……まったく…」 「そんな事じゃと思った わい……」
 
 「茜…ワシは、老い先短 い身じゃ…今更、私欲を 肥やしても、仕方あるま い…」
 
 「まぁよい…」
 
「失礼します、雅様がお着きになりました」
 
茜「…雅様…」
 
雅治「誰だい?」
 
爺さん「神無月の主じゃよ …」
 
お出ましか……
 
 
SPを従え、雅、が、部屋に入って来た
 
!!!
 
名前とは裏腹に、ブルーの瞳
 
髪は、黒…いや、少し茶色か?…
 
真っ白な肌に、高い鼻
 
ハーフか?……
 
雅「…貴方が、雅治ですね 」
 
透き通るような声だった
 
背が高い…
 
気付けば、爺さんも、茜も立ち上がり、頭を下げ、雅を迎えてた
 
俺はソファーに座ったまま雅を見上げていた


雅「水無月、話は聞きまし た、」
 「事は急を要します」
 「事実関係を急がせなさ い」
 
爺さん「はい、今暫らく、 お待ち下さい」
 
雅「これをご存知ですか? 」
 
雅治「!」
 
柱時計の鍵を、雅がテーブルに置いた…
 
雅「榊原に、聞きました」 
榊原…生きているのか?! 
 
雅治「…知ってる…」
 
雅「3時の鐘の音も、理解 していたのですね」
 
雅治「あぁ…」
 
雅「…」
 
雅が俺を真っ直ぐ見た…
 
なんだろう…雅の目は、不思議な力がある…
 
決して、力強い目ではないが…
……深い……
 
 
雅が立ち上がった
 
雅「結果が出たら、呼んで 下さい」
 
爺さん「はい、かしこまり ました」
 
雅が立ち去った…
 

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