《MUMEI》 その日から 僕らの恋は始まっていたんだ。 尤も僕は 合格発表の日から彼女を気に掛けていた訳なんだけどね。 まぁ とにかく僕達は 初めからお互いが『好き』だったんだ。 けれど なかなかそれが伝わるまでに時間が掛かった。 毎日── 口喧嘩が絶えなかった。 ──馬鹿な話だろう? 好きと言えばいいのに その反対の言葉を言ってしまうんだから。 でも 仕方なかったんだ。 僕も彼女も これが初めての恋だったんだから。 擦れ違って ぶつかって── 色々あった。 そう 色々──。 前へ |次へ |
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