《MUMEI》 街三人は人気のない場所まで来ると車を降り、歩き始めた。 ユウゴは近くの標識などから、あらためて自分がどこにいるのかを確認する。 すると、そこは昨夜ユウゴが逃げていた所から少し離れた場所であることがわかった。 「で、これからどうすんだよ」 ユウゴは自分の左右を歩く織田とケンイチに目を向ける。 「まずは、奴らが集まる場所へ行かないとな」 「集まる場所か。ってことはあの街へ戻るわけか」 ユウゴが言うと、織田は頷いた。 「まさか奴らもおまえが最初の街に戻るとは思わないだろう」 「ああ、そうだな。でも武器がないぜ」 「あ、それなら……」 突然ケンイチが嬉しそうに声をあげて持っていたリュックを開いた。 そして中から何かを取り出し、ユウゴに手渡す。 「ほらよ」 「あ、これ。俺のじゃねえか」 手の平に置かれたずっしりと思い鉄の塊を見て、ユウゴは思わず声をあげた。 それはこれまでずっとユウゴの身を守ってきた銃だった。 「やっぱりおまえが持ってたのか」 「ああ。おまえが協力するまで返すなって織田が言うから。あ、ちゃんと弾もあるんだぜ。……少ないけど」 言いながらケンイチは補充用の弾をユウゴに渡した。 前へ |次へ |
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