《MUMEI》

「──?」





鳳君は違うと思うけど‥。





「──見つかると面倒だから裏口から入るな」

「裏口‥?」





そんなのあるの‥?





「‥ま、ちょっと入りにくいのが玉に傷だけど‥」





小さめの扉を開けて、

中に入った鳳君。





まだ、

私をおんぶしたまま‥。





「──薬持って来っから‥その間に着替えとけ。いいな」

「ぇ、『その間に』って‥」

「‥覗きゃしねぇよ。アイツと一緒にすんな」

「ハ‥ハイ、スイマセン‥」





そうだよね‥、

鳳君だもんね──。

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